交通事故問題を弁護士に相談するタイミングはいつがいいか?
交通事故被害に遭われた方からのお問い合わせで、すぐに弁護士に相談して良いのか、自分達だけではどうにも解決が難しいとなってからでないと弁護士に相談してはいけないのかという質問をいただくことが少なくありません。
このような場合、弊所では、交通事故被害にあったら、すぐにでも弁護士に相談してもらうべきだとお答えしています。
このページでは交通事故の相談を弁護士にするタイミングについてお伝えいたします。
交通事故の相談はなるべく早い段階のほうがいい
当事務所では、交通事故にあった場合の相談はなるべく早期にしていただくことを推奨しています。
というのも、早期からご相談していただいたほうが弁護士のサポートの幅も広がりますし、証拠保全の面でもメリットが大きいからです。
交通事故発生から解決までは、多くの場合、交通事故発生→治療→治療終了→示談交渉→(交渉で解決できない場合は訴訟等)→解決、というステップを踏みます。
そのため、示談交渉をする頃には事故からそれなりの日数が経っているということも少なくありません。
そうすると、示談交渉時、どのような証拠が必要なのかを知らずにいると、いざ交渉や訴訟をしようというとき、必要な証拠が無くなってしまっているということもあり得るのです。
ですから、交通事故に遭った場合はなるべく早い段階から弁護士に相談・依頼をしていただき,後々揉めないために、ご自身にとってどのような物を証拠として保管しておく必要があるのか,適切なアドバイスを受けていただきたいと思います。
また、後遺障害が残りそうなケガを負った場合は、今後の等級認定を見据え、やっておくべき検査や有利な通院方法についてもアドバイスを行うことができます。
早い段階から相談してもらえると、こちらも今後の展開を予想し、良い結果を得るためのアドバイスをすることができます。戦略設計の幅も変わってきますので、できるだけ相談は早期に行うようにしてください。
交通事故が解決に向かうまでの過程
では、交通事故が解決に向かうまでどのような過程で解決されるのかを知っておきましょう。
事故発生から治療開始まで
交通事故が発生すると、事故の当事者や現場に居合わせた人によって、警察・救急車が呼ばれます。この時警察は、事故の状況について客観的な記録をするために実況見分という事を行います。よく事故現場でチョークで道に何かを書いて写真を撮っているのがその作業です。
この調査したものは後に実況見分調書という形で書類にされます。この実況見分は、基本的には当事者立ち合いの下行われます(当事者が喧嘩を始めないように、当事者はそれぞれすこし離れたパトカーの中で話を聞いたりします)。しかし、交通事故で重傷を負ってしまったような場合にはそのまま救急搬送されることになりますので、立ち合いはできなくなります。そのような場合には、捜査機関が作成した実況見分調書を被害者に見せて、内容に誤りがないかを確認した上で、署名捺印を求めてくるのが通常です。
この場合、もし作成された実況見分調書の内容に誤りがあるときは、署名捺印をしないように注意してください。
治療開始から交渉開始まで
怪我をした場合には病院で治療を受けます。救急搬送された先で治療がすぐに終われば、すぐに診療にかかった費用が確定しますが、そのようなケースばかりではなく、多くのケースでは、入院や通院が必要になり、治療を続けることになります。この間は保険会社とは、最終的な合意はせずに、病院にかかるための費用や、ケースによっては生活に必要となる費用の一部の支払いに応じることになります。
重大な後遺症が残っている場合には等級の申請を行う
交通事故で怪我を負った場合、その怪我が完治するか「これ以上治療しても回復しない」とされる時期(これを「症状固定」といいます。)まで治療を受けます。治療が長期間におよぶ場合には、保険会社から治療費の支払いがされていても、これ以上は支払うことはできませんと打ち切りを宣告されることもあるので注意が必要です。
重大な後遺症が残った場合には、後遺障害として等級の認定をしてもらうことになります。そして、この認定を受けるための手続きには、加害者が加入している任意保険の会社が手続きを行う事前認定という方法と、被害者本人が手続きを行う被害者請求という方法の、2つの手続きがあります。事前認定だと、任意保険会社が全て手続きを取ってくれますから、被害者にとって書類収集等の手間を省くことができるというメリットがあります。
もっとも、任意保険会社はあくまでも加害者側の保険会社ですから、被害者に有利になるように申請前に受けておいた方が良いであろう検査項目、提出した方が良い書類等についての助言をくれるようなことは期待できません。
被害者請求ですと、ご自身で書類を収集することはある程度必要になりますが、申請時の書類をきちんと自分で準備しますので、有利になるように対策を打つことが可能です。
そのため、当事務所では、被害者請求も積極的にお手伝いしております。
保険会社と交渉をする
上記の治療が終わると保険会社と直接示談交渉を行うことになります。交通事故の損害賠償の金額は法律や行政が決めるようなものではなく、保険会社が交通事故の被害者に支払う保険金の額として提示してくるところから始まります。
保険会社の提示は、裁判所が妥当だと考える賠償額には到底満たないものも少なくありませんし、裁判実務上とても認められないような過失割合を主張して賠償額を減らそうとしてくることもあります。
そこで、保険会社からの提示については、全ての項目について、裁判実務と照らして妥当な金額なのか、よく検討をした上で、交渉を重ねることになります。
そして、ある程度妥当な金額になったら、示談書(「免責証書」等と呼ばれることも多いです。)に署名捺印をして、保険金を支払ってもらうことになります。
示談書に署名捺印をすると、後から撤回することは基本的にできませんので、十分に納得してから署名等をするようにしてください。
裁判をする
もし保険会社の呈示した金額や、主張する内容に争いがあるような場合には、交渉を重ねることになりますが、保険会社が交渉に応じない場合には裁判を利用することになります。
裁判中に裁判内で和解をすることもあれば、判決という形で終わることもあります。
交通事故の相談なら当事務所に
交通事故は、交通事故に関する法律知識、自分に有利な主張をするためにはどのような事実や証拠を積み重ねていけばよいかという実務の知識、怪我の状態を把握するための医学的な知識が必要になるものです。交通事故に注力し2,000件以上の豊富な解決例をもとに、交通事故の早い段階からの相談・依頼に対応している当事務所に是非お問合せください。