意思疎通ができない被害者に代わる「成年後見人」とは?

交通事故の被害により寝たきりになったり、場合によっては他人とまともに意思疎通ができなくなるケースも少なからずあります。

このような場合、本人は加害者側と示談交渉をすることが困難であるため、法律では「成年後見人」が代わりに示談を行えることになっています。

このページでは、成年後見制度の基礎的な部分についてお伝えします。

成年被後見人は意思表示ができなくなった人の保護者的な役割をもつ

取引の世界では、人は人と自由に交渉をして契約をすることができます。交通事故の示談金をいくらにするか?という交渉も和解契約という契約になりますので、被害者と加害者(実際は保険金を支払う保険会社)が自由に交渉をすることになります。

この交渉は、取引をする当事者がきちんと冷静に物事の判断をすることができる、ということが前提になっています。たとえば、6歳の子供が交通事故の示談交渉をする、といっても6歳の子供が保険会社と対等に交渉できる判断能力を持ってはいません。

このような判断能力が劣っているという人たちについて、保護者をつけることで、取引社会で不利益な事がないようにしようとしたのが、制限能力者制度といわれる民法の規定です。

先の6歳の子供の例でいうと、原則として親権者が子供に代わって取引をすることで、当事者の均衡をはかっています。

交通事故で脳を損傷するなどして、通常の取引ができなくなってしまった成人も同様に保護すべきなのは明白です。そのため、判断能力を失った人に保護者をつける制度のことを「成年後見」と呼んでおり、保護者の事を「成年後見人」と呼んで、保護が必要とされる「成年被後見人」の財産の保護を行うことになっています。

保護は代理権・取消権を成年後見人に与えることで行う

ではどうやって、成年後見人によって成年被後見人の保護を行うのでしょうか。

交通事故で判断能力を失ってしまうと、契約をするための意思表示ができなくなってしまいます。そのため、成年後見人に契約をするための代理権と、万が一成年後見人がしてしまった契約を取消すことができる取消権を与えることになっています(日常生活に必要な範囲の契約については取り消すことができません)。

こうして、通常の取引を成年後見人ができることにして、生活を送れるようにした上で、万が一悪質な取引に巻き込まれても取消をすることができるようにして、成年被後見人の保護ができるようにしています。

交通事故の被害者が意思表示できなくなっときの示談交渉

では、実際に交通事故の被害者が意思表示ができなくなった場合には、どのような手続きで成年後見制度の開始がされ示談交渉をすることになるか見てみましょう。

交通事故により意思表示ができなくなった状態になる

まずは、交通事故により意思表示ができなくなった状態になります。どの程度の症状になると、「意思表示ができなくなった状態」といえるかについては、民法は「事理を弁識する能力を欠く常況にある者」と規定しています。物事の良しあしを判断することができなくなっている場合や、その判断ができたとしても判断に従って行動をできなくなることを言うとされています。この状態にあるかどうかは、医師が記載する診断書によって証明することになります。

家庭裁判所に申立をする

交通事故で意思表示ができなくなるような状態になったからといって直ちに成年後見制度が開始するわけではありません。本人・配偶者・一定範囲内の親族など、申立をすることができる権限を持っている人が家庭裁判所に申立をして、家庭裁判所の判断を経ることで成年後見制度が開始します。家庭裁判所は本人が「事理を弁識する能力を欠く常況にある」かどうか、ある場合には誰を成年後見人にするか、といったことを審査・決定します。

裁判所の決定により選任された成年後見人が保険会社と示談交渉をする

裁判所が成年後見の開始の決定をすると、成年後見人となった人は代理で保険会社と交渉をすることができるようになります。保険会社との交渉は成年後見人が選任されてから、成年後見人が被害者の代理人として行う形で始まります。

重大事故の場合には弁護士を利用することで示談金額が大幅にあがる

以上の成年後見に関する制度をお伝えさせていただいた上で、成年後見の申立や示談交渉をするのは弁護士に相談することをお勧めします。なぜなら、本人が意思表示できなくなるような重大事故においては、弁護士が介入することで、示談金額が大幅に上がることが予想されるからです。

その理由としては、成年後見の申立をしなければいけない重大事故の場合には、後遺障害が発生している事が間違いないといえます。

この後遺障害が発生している場合に、適切な後遺障害等級を獲得しているか、というのは交渉のカギになります。

また適切な後遺障害等級を獲得しているような場合でも、保険会社は独自の支払い基準を利用することで、支払い金額を大幅に下げてくることが予想されます。

場合によっては、何ら落ち度のない被害者の落ち度を指摘して、さらに示談金額を下げてくることが考えられます。

弁護士は、成年後見の手続きから、交通事故の示談交渉まで適切に行うことができます。

当事務所では、交渉前の治療の段階から手厚いサポートをしており、2,000件を超える解決事例と、被害者に親身によりそう方針で多数の解決を導いています。ぜひ当事務所の法律相談をご利用ください

0120-543-189
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